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ちょっと気になる病気の話

食中毒にご用心


食中毒のニューフェイス O−157

 梅雨から夏にかけては食中毒の多い季節です。わが国の食中毒の90〜95%は細菌性食中毒で、原因菌としては腸炎ビブリオ(魚介類に多い)が大半を占め、ほかに黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌などが一般的です。
 病原性大腸菌による食中毒は、これまでは、せいぜい全国で年間20〜30件程度でしたが、平成八年の病原性大腸菌O-157による患者は年間約9,500名(うち死者は12名)に増え、今年も流行の兆しを見せています。
病原性大腸菌O-157の電子顕微鏡写真
 大きさは1mmの500分の1程度と小さいが、
感染力は非常に強い。
 体内に侵入して、腸壁に付着するとベロ毒素を産生する。
 腸壁に付着できなかった菌は、そのまま体外に排出される。
 ベロ毒素を産生した菌も、数日で排出される。
写真提供:島田俊雄博士(国立予防衛生研究所)

三つの特徴があったら

 O-157は潜伏期が4〜8日と長いため見つかりにくく、更に感染力が非常に強く、他の食中毒の発生に必要な菌数の数千〜数万分の一(わずか100個程度)で発症し、人から人への二次感染も多いため、大流行を起こしやすいと言われています。

 また、他の病原性大腸菌にはないベロ毒素を作り、この毒素によって腸壁がただれたり腎臓や脳がおかされたりします。

ただし、この細菌に感染してもすべての人が発症するわけではなく、発症するのは感染者の約半数で体力や免疫力の弱い子供やお年よりです。

 食中毒の一般的な症状は、急に始まる嘔吐、下痢、腹痛、発熱などですが、O-157は (1)たびかさなる水のような下痢、(2)激しい腹痛、そして(3)赤ワインに似た血便が特徴で、時にはベロ毒素によって尿毒症(溶血性尿毒症症候群)を起こして重症になります。



手から口までのあいだに防ぐ

 従来の食中毒でもO-157でも、予防はいかにして菌が口の中に入るのを防ぐかにつきます。まさに税関の「水際作戦」と同じです。
 食材ごとにまな板を洗ったりするのは確かに大変ですか、水道水に含まれる塩素には、以外に殺菌力があるのです。「万が一、食中毒になったら」と考えて、梅雨から夏にかけては特に食材の「水洗い」を心がけてください。

食中毒予防のポイント

(1)綱菌をつけない
  • 薬用石鹸などを使って手をよく洗う。食事の前、トイレの後は忘れずに。
  • 肉、魚、野菜などの食材はそれぞれ別に洗い、別々に保存。
  • 包丁、まな板、食器、ふきんなどはなるべく熱湯消毒する。
(2)細菌を殺す
  • 食品を75℃一分以上加熱する
    (O-157は75℃で一分加熱処理すれば死滅します。)
  • 野菜や生ものや手を洗うときは、必ず水道の流水下で洗う。
    (水道水は蛇口部分で一リットル中に0.1mg以上の塩素が含まれるために殺菌力がある。
    井戸水やため水には要注意。
(3)細菌を増やさない
  • 調理後すぐに食べる。
  • 食品を保存する場合は必ず冷蔵(10℃以下)か冷凍(-15℃以下)し、
    食前に加熱する。冷蔵・冷凍で細菌が死ぬわけではないので、
    過信せずに早めに食べてしまうことが大切。

    **この記事は松江保健生協の機関紙「強い体」からの引用です。

 

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