| 最近、食生活の変化や高齢化に伴い動脈硬化による病気を抱える患者様が増えています。動脈硬化は加齢の他に、高血圧、高脂血症、糖尿病などの疾病や、喫煙、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣も危険因子になります。動脈硬化は体中におこり、頭の血管の動脈硬化は脳梗塞、心臓の血管の動脈硬化は狭心症や心筋梗塞を、手足の血管の動脈硬化は閉塞性動脈硬化症を引き起こします。動脈硬化は初期には症状が目立たず、進行して強い狭窄や閉塞に至って症状が出てくるため、日常の予防行動や早期発見が大切です。
これから循環器分野の動脈硬化疾患の検査や治療についてお話しします。第1回目は、足の動脈硬化と検査のお話です。
閉塞性動脈硬化症は、主に下肢動脈の狭窄・閉塞をもたらす病気で、間欠性跛行(歩くと足が疲れたり痛くなりして休憩が必要になる)、手足の冷感・血色不良、傷が治りにくい、などの症状が現れます。日本ではまだ十分なデータがないものの、欧米では七十歳以上の十五〜二十%の人がこの病気といわれており、さらに糖尿病患者や喫煙者の発症頻度は三〜四倍程度に、高血圧や高脂血症では二倍程度になるといわれています。
重症になれば足に潰瘍が出来たり、壊死が起こり切断することもあります。また症状のある閉塞性動脈硬化症に罹患した方は、そうでない方と比べて脳梗塞や心筋梗塞になる確率が高く、死亡率が二・五倍になるという報告もあり、単に足だけの問題に留まりません。
主要死因別患者数 |
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(総務省統計局より) |
(1)ABI(足関節・上腕血圧比)
足と腕の血圧比を測る検査です。寝た状態で足首と腕の血圧を測ると、通常は足首の方が高いのですが、動脈に狭窄や閉塞があると血圧が低下します。ABIが0.9未満だと狭窄または閉塞が疑われます。5分程度で終了する簡便な検査ですので、スクリーニング(ふるい分け)や経過観察に用います。
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ABIの検査風景 |
(2)動脈エコー
足の付け根、膝の裏など数箇所の血管をエコーで確認し、血管の状態や血液の流れの速さを調べることで、血管の狭窄・閉塞の可能性を推測します。
(3)CT・MRI
CTやMRIで得られる断層写真をもとに立体的な血管の画像を作って調べる検査です。細い血管、動きのある血管の判断は苦手ですが、骨盤〜大腿など比較的太い血管の病変はよくわかります。
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MRIを用いた血管撮影 |
(4)血管造影検査 (カテーテル検査)
非侵襲的検査で狭窄が疑われる時はカテーテル検査を行います。血管に細い管(カテーテル)を通し、造影剤を注入して調べます。狭窄の程度や血管の状態を詳しく確認して治療方針を決定する大切な検査です。苦痛は余りありませんが、侵襲的検査であり一泊入院が必要です。
これらの検査を通じて、血管が狭窄・閉塞している事がわかれば、血行を改善させるための治療を行います。次回は、治療のお話しをさせて頂きます。
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