| 高血圧症はあらゆる慢性の病気の中で最も多い病気だと思います。この病気をご存知ない方はまずいらっしゃらないでしょう。ところが、この病気にはあまり一般には知られていない事柄がまだたくさんあるように思います。3回シリーズで、日常役に立ちそうなことをまとめてゆきます。まず今回は高血圧の合併症についてです。
かつては、高血圧の合併症といえば脳溢血、つまり脳内出血が重大で代表的なものでした。しかしここ20年ぐらいの間に降圧剤の優れたものが次々と開発されたことや病気に関する知識が広まったことにより年々減少してきています。
| (1)それにかわって増えているのが脳梗塞です。動脈の壁に長い年月高い圧力がかかることにより壁は硬くなって動脈硬化の成分を蓄えるようになります。そしてあるときそれが破綻し動脈の内腔を詰めてしまいます。そうなると片麻痺や構語障害をきたすこととなり、また微小梗塞といって、2〜3mmの小さな梗塞が脳のあちこちにでき、ふらつきなどの神経症状の原因となることがあります。 |
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| (2)心臓に対する影響も重大です。ひとつは心臓の筋肉に血液を送っている冠動脈に対する影響です。血圧が高いと脳血管と同様に動脈硬化をきたしやすくし、閉塞(つまり心筋梗塞)や狭窄(狭心症)が起こりやすくなります。それにより心筋は虚血状態になり心不全や重大な不整脈をおこしてくることとなります。もう一つは心筋そのものに対する直接的影響です。心臓は全身の血管の抵抗に逆らって血液を送り出しています。血圧が高いというのはたいていこの血管の抵抗が高くなっているので、心臓にはだんだんと力の無理がかかり心筋が厚くなってきます。筋肉を使う仕事の人やスポーツマンなどが筋骨隆々としてくるのと同じ理屈ですが、心筋には厚くなってもらっては困るのです。心筋が硬くなり、これまた心不全の原因となります。 |
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| (3)最近徐々に増えているのが腎不全です。腎不全で人工透析となる原因の多くは糖尿病性腎症か慢性糸球体腎炎です。ところがそれらにはまだ及ばないものの、高血圧による糸球体硬化症が増えています。外来にかかるとき、時々尿に蛋白が混じっていないか調べることと、腎臓に対する保護作用を持つ降圧剤の内服が必要になってきます。 |
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他にも、大動脈や足の血管などにも動脈硬化をきたしやすくし、眼にも悪い影響があるなど様々なことがあります。もちろん、動脈硬化は高血圧のみが原因で起こるものではありません。高血圧の患者さんはどういうわけか糖尿病を合併することが多く、脂質管理にも気を配るなどの動脈硬化予防の総合的対処が必要になってきます。
次回は、日頃の血圧の管理のしかたについてお話します。
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