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●ちょっと気になる病気の話

      生活習慣病

 
東儀 公哲
松江生協病院 健診センター所長
飽食の時代

 昨今のテレビ番組は健康番組とグルメ番組が全盛です。両者は全く関係なさそうに見えます。実は風が吹くと桶屋が儲かるの関係であります。食べ物が有り余るから美食になる、美食するから肥満になる、肥満になるから健康体でなくなる、健康体でなくなるから健康を求める。昭和30年代ごろ、テレビが普及していたとしてもこんな番組はなかったでしょう。というのはそのころ日本人は食うために働いていて美食は関係がなく健康でした。貧しかったが健康で、しいて怖い病気と言えば感染症の結核でした。そんな時代ですから治療だって栄養を付けることが基本でした。少なくともいわゆる成人病、今の生活習慣病なんてありませんでした。

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高カロリー食

 高度成長期を経て生活は楽になり便利になって人は体を動かすことをしなくなりました。日本より先を進んでいるというアメリカの後を追い続けているのが日本ですが、かの地では高カロリー食を多量に食べて、おまけに運動不足で肥満が増えています。運動は金を払ってわざわざしなければならないし、肥満でない事がステイタスシンボルであり自己管理が出来ているということで出世の第一歩となっているのです。ところで私はつねづね思うのですが、アメリカ人は毎食何を食べているのでしょうね。まさか朝はマックで昼はミスド、夜はケンタッキーってことはないでしょうね。
もしそうだとすると栄養のバランスが悪くアメリカ人がサプリメントをよく取る、取らざるを得ないということがうなずけますよね。

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日本の栄養事情

 ところで日本食は、いわゆるお袋の味は塩分がやや多めなことを除くと健康的な食事です。魚を食べ、煮た野菜、大豆類、海藻キノコと世界に冠たる健康食品のオンパレイドです。黙って食べていれば健康は保証されます。つけたしですが日本人が普通に和食を中心に食事をしていればサプリメントなんて必要ありません。しかし、日本人の食生活は変わりました。昭和30年代から日本人の摂取総カロリーはそれほど増えてはいないのですが、脂肪からのカロリー摂取が三倍くらいに増えているそうです。これがいわゆる食の欧米化というやつで日本人には多くなかった病気や肥満が増えてきました。

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肥満で、加速

 さて肥満といえば生活習慣病の悪の根源です。生活習慣病というのは肥満、血糖、中性脂肪、血圧などが高値なものをいうのです。これらの病態は遺伝的素因がないことはないのですが成り易さが伝わるわけで必ず成るわけではありません。それより食を含めた環境因子の方が大きな力を持っています。我々は放っておいても年と共に動脈硬化が進むわけですが、それにアクセルを踏んでスピードを上げていくことはなく、早くブレーキをかけていくことが大切です。肥満、耐糖能異常、高中性脂肪血症、高血圧症これらは死の四重奏と言われているのですが、みな共通に心血管疾患の危険因子です。何か一つだけ抜き出て高い値があるのも悪いのですが、それほど高いわけではないが正常を逸脱しているものがいくつもあるといったものの方がより悪いと言われています。先の危険因子といわれるものは氷山の一角で海面下では共通の悪い病体があるのです。ですから氷山の一角を何々病、何々病というのでなく、海面下の異常を含めて代謝異常症候群(メタボリックシンドローム)と呼ばれるようになりました。これが生活習慣病の本体です。

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健診センター職員一同お待ちしています
 

**この記事は松江保健生協の機関紙「強い体」からの引用です。

 

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