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●ちょっと気になる病気の話

       花粉症について

 
渡邊 光一郎
生協病院 耳鼻咽喉科医師
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 花粉症は花粉が鼻粘膜や目に付着して過敏体質の人にアレルギーを起こし、主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状を起こす病気です。花粉の種類は50種類以上ありますが、中でも一番問題となるのが春先に飛散するスギ花粉症で70%を占めます。

 スギ花粉症は昭和39年に発見され、当初はスギ花粉症は少なかったのですが、昭和50年代に入るとスギの大量飛散によって患者数が急増したことから一躍注目を浴びる疾患となりました。今や「国民の10人に1人は花粉症」という国民病です。患者数は増加傾向で今後さらに増加すると予想されます。また、以前は成人に多かったのが最近は小児にも増加しています。一度発症すると毎年春先に繰り返し、自然治癒することは難しいです。

 スギ花粉症の増加原因は単一でなく、以下の種々の要因が考えられます。まず

スギ花粉量の増加。戦後復興期に植林した多数のスギが樹齢30年を超えて花粉を盛んに産生するようになりました。
地球温暖化。スギ花粉の飛散量は前年の夏つまり花芽形成時期の気象条件によることがわかってきました。
気温が高く日射量が多い夏には花芽形成が盛んで翌年の春には多量の花粉が飛散します。その年によって花粉飛散量の変動がありますが、長期的には地球温暖化が花粉飛散量の増加に影響している可能性があります。
大気汚染。例えば、車のディーゼルエンジンの排気ガスなどが気道の過敏性亢進に影響していることも言われます。
住宅環境の変化。従来高温多湿に対応する開放型の住宅が現代はエアコンを利用する密閉型の住宅となりました。これによりダニが繁殖しやすくなりました。
ダニアレルギー患者の70〜80%がスギ花粉抗体も保有すると言われ、ダニに対するアレルギーが増加したことが花粉症にかかりやすくし花粉症を増加させたと推測する意見もあります。
その他に、食事の変化、感染症減少の影響、ストレスの増加などが考えられています。


 花粉症の治療についてはまず耳鼻科受診し検査によりスギ花粉症と診断されることが前提となります。というのは感冒と勘違いし、スギ花粉症に長らく気付かない人もいるからです。
スギ花粉症と診断された
ら、まず

花粉の除去と回避をしてスギ花粉から身を守る。花粉が飛散し始めたら花粉を身体に付けない、室内に入れないという二点が大切です。
具体的には
(1) 花粉飛散時は外出は控えること。気温が高く空気が乾燥し晴天で風が強い日は花粉飛散が増えるのでこうした日の外出は控えること。
(2) 飛散が多い日は窓や戸を閉めること。
(3) 外出時は帽子、メガネ、マスクの三点セットを装着すること。
(4) 帰宅時には、衣服を外で何度もはらって花粉を持ち込まない。手洗い、洗顔、うがいや洗髪も望ましい。
(5) 干した布団、洗濯物も花粉が付いているのでよくはたく。
(6) 室内のまめな掃除や空気清浄機などの使用も望ましい。などです。
薬物療法は対症療法または発作予防にとどまり、根治療法には至ってません。
抗アレルギー薬は様々な種類の薬があり、作用機序、効果、効果発現時期などの点で異なります。耳鼻科医師の診断のもと自分に合った薬を選択使用することが必要です。また花粉飛散開始日より早めに抗アレルギー薬を予防的に服用すると症状がかなり抑えられます。
この他、

減感作療法(スギエキスを注射して、身体を徐々にスギ花粉に慣らせて花粉への過敏性を弱める治療。ただし長期間通院が必要で改善率には個人差あり)
レーザー治療等手術治療もあります。

 

 毎年花粉症でお悩みの方、自分は花粉症が疑われるとお思いの方、まずは耳鼻科受診をお勧めします。

 

**この記事は松江保健生協の機関紙「強い体」からの引用です。

 

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